NPO日本移植支援協会

専門家の意見

寺岡 慧 先生

東京女子医科大学
腎臓病総合医療センター
(平成13年)
寺岡 慧 先生

命を支える重要な臓器が病に侵され、従来の医療では治すことができない場合には、臓器移植が唯一の根本的な治療法です。 末期の心不全には心臓が、呼吸不全には肺が、肝不全には肝臓が、重症の糖尿病には膵臓が、腎不全には腎臓が移植されます。移植される臓器は、死後に善意で提供される場合と、健康な親近者から提供される場合(肺、肝、腎移植)とがあります。

死後の提供では、脳死で提供される場合と、心臓が停止した死後の提供(腎、膵)があります。脳死での提供の場合は、脳死を受け入れ、臓器を提供する意思の表示が必要です。 臓器の提供も、臓器移植を受けることも本人と家族の意思で決めることで、法によって保障された権利です。 決して他人から強制されたり、干渉されたりすることではありません。 主治医から十分な説明を聞き、場合によっては他の医師や信頼する人に相談して判断してください。

臓器移植は善意に基づいた”命の贈り物”によって初めて成り立つ医療で、臓器提供の意思表示カードを所持することにより臓器を提供する意思を示すことができます。 また生きること、健康を取り戻すことは憲法で保障された基本的人権のひとつです。臓器移植の普及により一人でも多くの病に苦しむ方々が健康を取り戻せることを願ってやみません。

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